ロマサガ浪漫細工

□新約 raGnARok 〜神々の戯れ〜
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ぱらら〜ん ぱららら〜ん

迷いの森に、どこからか穏やかなリュートの音色が響く。
巨木の根元で、うとうとと微睡んでいた銀色の毛並みの狼は、その音を耳にして敏感に顔を上げた。
彼女はぱっと身体を起こすと、そそくさと巨木の裏手へと歩み去った。



「いやぁ、お久しぶりですね。ご機嫌いかがですか、シリル?」

やがて上機嫌でやってきた吟遊詩人は、森のなかでも一際大きな巨木を見上げてにこにこと語りかけた。

『………。』

木々の梢がさらさらと鳴り、詩人の銀の長髪がふわりと風に揺れる。

『……………。』

静かな森のなかに、先程の自身の発言だけがいやに大きく反響した。
ふぅと息を吐き出すと、詩人は唇の端を引き上げて口元だけで微笑んだ。

「…まったく。
毎度毎度シカトこいてんじゃねぇよっ!!」

一つ悪態をつくと、彼は巨木の幹を思い切り蹴り飛ばした。

『痛ったい!
…何の用向きだ、エロール?』

溜め息まじりに、ようやくシリルが返事を返した。

「今の“痛い”と“いったい”を掛けてるんですか?上手いこと言いますねぇ♪」

やっと構ってもらえたとばかりに、詩人がぱっと顔を輝かせた。
巨木の幹にもたれかかり、肘で軽くつつく真似をしながらにこにこと続ける。

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