ロマサガ浪漫細工
□新約 raGnARok 〜神々の戯れ〜
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「嫌ですねぇ。退屈してるだろうと思って、私が話相手に来てあげたんですよ?」
『はぁ…』
「貴方はどこにも行けませんからねぇ」
シリルの気の無い返事など、エロールはまるで気にしていなかった。
「ぶっちゃけ、ここにつっ立っているのは楽しいですか?」
『森の動物たちは皆、お喋りで愉快だよ。
君には解らないかも知れんが』
相手を小馬鹿にしたように、ふんっと鼻で笑いながらシリルは言った。
『君こそ、そんな格好でいつもふらふらと。神としてのプライドはないのか?』
「この格好、イケてるでしょ?私はヒトが大好きなんです」
指摘された服の裾を軽くひっぱりながら、エロールが満面の笑顔で笑う。
「まずカタチから入るタイプなんですよ♪」
『はぁ…』
シリルが適当に相づちを打つ。
「いやぁ、私の正体を知った時の人々の驚きようといったら…」
そこまで言って、エロールは何か思い出したようにぷぷっと吹き出した。
「やめられませんよ♪」
『君は―…』
「ぁ、いいですよ。お茶目だね、とか。もうわかってますから」
『いや…』
シリルは言いかけた言葉を飲み込んだ。
きっとこの相手には、どんな皮肉も嫌味も通じない。
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