青の言葉(15)
□福○駅
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いつも笑ってるきみが電車の中でサラっと言った言葉が凄く引っ掛かって、きみが降りる駅でボクも一緒に飛び降りた。
きみはビックリしたような表情の後、にっこり笑って『ありがとう』と言った。
二人腰掛けたベンチはやたら小さくて、ずっとくっついていたっけ。
きみはいつものように笑ったまま、凄い苦しい思い出の話をしてくれた。
いつのまにか彼女の手を強く握り締めていた。何も出来ないボクの精一杯だったけど、きみは最高の笑顔でその手を強く握り返した。
『凄く恐かったの。』
笑ってたけど、そう訴えているようだった。
青い二人が少しの間、お互いを傷付けながら、自分を傷付けながら一緒に歩き始めた、最初の記憶。