小説置場

□紅い月
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お母さんもいなくなった…
お父さんもいなくなった…
みんないなくなった…

あたしはひとりぼっちなの?


血に塗れた少女。
一人赤い海を歩く…泣きながら無表情に。

場所変わり、何処かの城の中。誰かの声がする。悲痛な叫び声が。少女と青年がむかいあっている。

「アリスをむかえにいきましょう」
「無理です。私達の役割ではありません」
「シロウサギは狂ってしまったわ!もういいじゃない。アリスは十分傷ついた」
「お気持ちは分かりますが…私達の役割ではないのです」
キュッと唇をかむ叫び声の持ち主。

「あのバカ猫はなにしてるのよっ!」
「すでに向かっているようです」

「あぁ…アリス…そんな世界なんて捨てておしまい。わたくしの元に戻ってくればよいのに」

「いずれ来ます。猫に導かれて」

赤い舌をチェロッとだし、彼は空を祈るように見上げた。
「アリスの為です、私達の出番まで今はまちましょう」

「そうね…くやしいわ…」
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