BL短編の小部屋A
□ファーストキス
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世の中みんなバカばっか。
俺も。
俺の好きなあの人も。
永遠に手に入らないって分かってる無謀なものを欲しがって、いっそ諦められたらって嘆きながら心をひたすらすり減らし続ける。
ほんとみんなバカばっか。
「・・・・ウッ!!!」
「ごめん、痛いか?」
急に奥を突かれ咄嗟に息を飲んだ俺を京介は動きを止め心配そうに覗き込んだ。
「へーき」
笑って首を振ったのに、それまでとは明らかに違うゆっくりとした動作で腰を動かす京介がおかしくて苦笑が洩れた。
こいつは繊細な女とでも勘違いしているのか、いつだって壊れ物のように俺を抱く。
身長も体格も自分と大差ない俺を女扱いもなにもないだろうと思いつつ、大切に扱われるのがけしてイヤじゃないからこっちだって充分たちが悪い。
「珠樹・・・痛かったら言えよ」
こっくり頷き、俺の首元に埋めたその細い首に両手を絡ませる。
すっかり遠慮がちに変わった腰の動きを催促するように京介自身を飲み込んだ自らの秘孔を擦り寄せた。
あー・・・もっとガンガン攻めてくんねーかなぁ。
ぶち当たるくらい1番奥を、息も出来ないくらいガッツンガッツン攻められるのがいいのに、如何せん優しい紳士なこいつは俺の体を気遣ってなかなかそうしてくれない。
もう少しでイケそうなのに決定的な刺激が足りなくて、京介と俺の腹の間でそそり勃った俺のソレは、さっきから可哀相なくらいパンパンに成長し、先からはトロトロとした液体が流れ続けていた。
可愛そうな俺のナニ。
挑発するようにわざと力を込め意識的に締め付け京介自身を煽ってみるけど「うっ」と小さく呻き、俺の中の京介はより一層大きさを増しただけで、結果俺は自分で自分を追い込んだだけとなる。
あともうちょっと。
もうちょっとなのに・・・・・・
遠慮なく突いてくれたら、このまま前は触れられないでもイってしまうんじゃないか、そんな気さえした。