小さな童話
□夢のような一日
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その子は、クリスマス間近のある村に現れました
透き通るような白い肌…
どこか、はかない笑顔
村人達はその子を神よりの遣いかと思い、その子を教会に招きました
こじんまりとした礼拝堂が佇(たたず)んでおり、近くにはキリストの像が飾られています
教会の中へ入ると、その子は祭壇の上に飾ってある燭台に気付きました
「あの燭台は誰が作ったのですか?」
教会に招き入れてくれた一人の村人が答える
「あれはね…神父様が隣街から譲ってもらったものなのよ」
「そうなんですか」
すると、教会の奥からシスターが現れます
「ようこそ、神の遣いの方ですね」
その子が答える前に村人達は頷きました
「神父様はもうすぐ隣街からお戻りになります。こちらで少々お待ち下さい」
その子は、教会のすぐそばにある煉瓦作りの家に案内されます
椅子に座り暖を取っていると、扉を開ける音が聞こえました
扉を開けた人はボロボロの服を纏い、寒さでかじかむ体を震わせている女の子でした