Varie storia

□いつまでも僕と
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君が僕の為にしてくれたんだっていう事が凄く嬉しい

僕が喜ぶと君も笑う
君が嬉しいと僕も嬉しい

君と、この日を過ごせて幸せだと、そう思う





「ふーじっ」
「英二…どうしたの?」
「にゃあんでもない」
「何それ」

休み時間の度に僕の席までやって来る可愛い英二

特に何かするわけじゃなく、ただ来て机に頬杖を着いて側にずっと居るだけ

それだけで十分な僕は、そんな英二をただ愛しそうに見ていた



「不二ー、部活行こう」
「うん」

荷物を掲げ、英二と一緒に部室に向かう

その途中、英二はずっと喋ってばっかで、僕はそれをずっと聞いているだけだった

所々に『不二、聞いてる?』って、少し拗ねたように聞いてくる彼が本当に可愛くて、思わず笑ってしまう



「不二ー?」
「んー?」
「にゃんでもなぁい」
「英二さっきからそればっかりで手が止まってるよ」
「いいじゃん」
「別にいいけど…帰るの遅くなるよ」

部活も終わり着替えも済ませた僕は、未だにジャージのままの英二に向かって言う

英二はジャージを脱いでは着て、脱いでは着てを繰り返していた

「英二、遊んでいるなら先に帰るよ」
「えー」
「えー、じゃない」
「だってさぁ…」
「…何?」

ひょっこりと僕の前に来た英二は、少しだけ拗ねたような顔をしていた

「どうしたの?」
「……折角のさ、不二の…」
「僕の?何?」
「不二の…誕生日じゃん」
「うん」
「……本当は今日が終わるまでずっと一緒に居たいんだよ、俺」
「英二…」
「でーも、不二の家族も不二の為にいっぱいいっぱい準備しているだろうから、俺は部活終わって不二と一緒に帰って……」

その後の言葉は続かず、英二は俯いた

だけど、その間はそんなに長くなく、すぐにパッと顔を上げて、鞄の中を探り出した

そして、にっこりと笑いながら、僕の前に綺麗に包装された包みを出した

「これは…?」
「プレゼント!」
「僕に?」
「他に誰が居るんだよ
開けてみてよ!不二絶対喜ぶから!」
「わかった」

早く早くと急かす英二に言われ、包装紙を丁寧に取り、中を見ると

バースデーカードと一緒に新品のグリップが入っていた

「これ…」
「不二の欲しがっていたメーカーのグリップだよ
すっっごい探し回ったんだからね!」
「…ありがとう」

「不二、遅くなったけど、誕生日おめでとう」
「ありがとう、英二」

お礼の言葉と同時に僕たちはそのまま唇を軽く重ね、そして2人で笑い合った



その後は、姉さんが英二も一緒に、と言ったので、そのまま僕の家で英二も含めた盛大なバースデーパーティーがあったのは、言うまでもなかった



英二は帰りしな、『プレゼントがこんなのでごめん。他に何も思い付かなくて』と申し訳なさそうに謝ったけれど

君が僕の為に一生懸命考えてくれた事が何よりも一番嬉しくて

その気持ちを伝えたら、英二は少し、照れ臭そうに笑った



今まで、貰った中で一番最高のプレゼントだよ、と
彼を抱き締めるながら耳元で呟いた




















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