*乙女ゲーBOOK*
□一つだけの願い
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〜〜〜♪♪〜♪♪〜
窓を挟んだ向こう側に見えるのは、降りやむ気配を見せることのない雪。
部屋の中で、君にお願いされた曲を演奏する僕。
そして恋ちゃんは──静かに、目を閉じて、
僕の奏でるピアノの音に耳を澄ましてくれている。
〜〜〜♪♪♪〜〜………
「……どうだった、かな?」
「うわぁ〜♪やっぱり先輩のピアノはいいですねぇ〃〃」
「ふふ…そう言ってくれると、弾いたかいがあるよ。
──…疲れたでしょ?紅茶でも淹れるよ」
「い─いえいえ!疲れたなんて!!
むしろ、すごく癒されましたから!〃〃
──紅茶は私が淹れるんで!
先輩はゆっくり待ってて下さい!」
「え?そう?──じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな」
「ハイ!!」
そう言って恋ちゃんは、台所の方へ行ってしまった。
窓の方に視線を向けると──
そこは銀世界。
朝から降り始めた雪は、ずっと降り続いて──ついに、積もり始めていた。
「道理で寒いわけだよね」
僕は一人そう洩らし、台所にいる恋ちゃんの後ろ姿を見た。
*