【 主 菜 】
□30.第三の男
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『しかし、ルフィのお爺さんがまさか海軍の人間とはねぇ』
ナミは修繕された壁を見つめて呟いた。
ルフィの祖父、海軍中将のガープが破壊して直していった壁だ。
『それより父親だわ』
『ドラゴンってなァ、そんなにヤバイヤツなのかい?ロビンちゃん』
固い表情のロビンを気遣うようにサンジが覗き込んで尋ねた。
ロビンが口を開くより先に、サンジをちらりと横目で見、鼻で笑ったのはゾロだった。
『何だ?グル眉、怖ェのか?』
『んっだと?!誰に向かってモノ言ってんだ、クソミドリ』
『おめェだ、巻き眉毛』
『あァ?やんのか、コラ』
『2人ともやめなさいっ』
ナミは睨み合いを始めた2人の首根っこを掴み、引き離し、ついでに拳骨を食らわせる。
大の男2人が痛みに頭を抱えて呻いている。
拳骨のガープにも引けを取らないんじゃねェかとゾロは思ったが、口に出す程バカではなかった。
触らぬナミに祟りなし、だ。
ロビンがくすりと笑った。
『あなた達見てると真面目に考えるのが馬鹿馬鹿しくなってしまう』
そう言って立ち上がると、表で昔馴染みと歓談する船長の横顔を見つめた。
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