RED MOON

□第二夜・仲間
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第二夜・仲間


―「どうだい坊主!元気出たか?」

「はい!有難うおじさん」

ここはレベッカという町の小さな酒屋である。

ナルシアはこの町の近くの草原で餓死寸前の所を酒屋の主人に助けてもらったのだ。

「しかし、坊主のような子供がまたどうして…」

「…実は、俺のお母さんが昔働きに家を出て、でも三年も帰って来ないんだ。
お父さんはお母さんを心配しながら去年死んじゃってそれで俺一人になっちゃったからお母さんを探しに旅から旅を…」

泣き真似をしながら、ナルシアは嘘八百を並べる。

「そうかい!!」

「いたたた!」

「何て不敏なんだ!こんな子供が一人で!!」

マッチョの主人に力一杯抱き締められ、ヒゲの剃り残しがあるのに頬づりをされるナルシアは堪らない。

「お、おじさん…いたひ…」

本当の涙が出てきたナルシアはそのまま意識が薄れていった。




―「おーい!こっちにも酒だー!」

「はいは〜い!」

あの後、何とか一命を取りとめたナルシアは酒屋の手伝いを買って出た。

常連ばかりが集う、とても親しみ深い店である。

「おら!ナル坊!なんだそのへっぴり腰は!」

主人、通称マットは豪快に笑った。

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