Dreams Are Lie
□第三章・居候
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第三章・居候
−暗く、静まり返った空間で俺が膝を抱えて踞り、泣いているのが見える。
片手には一通の手紙、もう片方の手には札束を握りしめ、俺は泣いていた。
涙が落ちる度、波紋が広がり俺を囲む
それだけがここの音であり、俺だけがここにいる人間だ。
静寂が支配する中、また俺の瞳から涙が落ち、波紋を広げた…
−瞳を開ければ、夕日に照らされ赤く染まった部屋が目に入った。
どうやら、昴を待っている間に眠ってしまったようだ。
額に手をやるとうっすらと汗を掻いていた。
この夢は初めてではない。
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