Dreams Are Lie

□第一章・虚像
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−虚像−


−「有希(ゆうき)起きろー」
前の席の奴に頭を突かれ、呼ばれることで俺は眠りから引きずり出された。

有希とは俺のこと。名字は羽山。

ゆっくりと目を開け、腕の中から顔を上げる。

椅子の背に腕を乗せ、そこに顔を預けている男前、柄沢昴(からさわすばる)が視界に入る。

小学生の頃からの腐れ縁で、高校生になった今もそれは続いていた。

何より、こいつは苦手なんだ。

いつも、言わなくていいことまでいってしまいそうになるし、時々、信じそうになる。

こいつと居ると、調子が狂う。

「何だよ。俺、眠いんだけど」
 
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