二次創作
□傷ついた翌日は
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彼女の悲しむ顔は見たくない。
しかし、心配してもらえるのはどうしてこう、嬉しい気持ちになるのだろう。
こんな矛盾は、たまにはいいでしょう――――
傷ついた翌日は
「んっ……」
朝。襖と襖の間から漏れた光により、剣心は目を覚ました。
「朝、か……」
目を軽くこすり、起き上がろうとする。
「っつ!」
上半身にかなりの痛みが走った。
「剣心?」
痛みにより布団に背を預けた剣心に、愛しき人の声が届く。
「起きたなら呼んでくれればいいのに」
「薫殿」
薫は襖を開けて剣心に近づいてくる。
「あ!剣心。起きようとしたのね?駄目でしょ、そんな大怪我してるんだから」
頬を膨らませて怒っている薫を見て、剣心は思わず微笑んでしまう。
それは、あまりにも薫の仕草が可愛らしかったから。
「ああ、すまないでござる。ついいつものくせで」
苦笑いしながら頭を掻く。