二次創作
□今日のこと…… 明日のこと……
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一体、運命とはどこでどうつながっているかわからない。
例えば、いつもはしないようなことをして怪我をしたとか、
いつもは行かない道に入ったら、素敵なお店を見つけたとか、
そして、たまたますれ違った人が、運命の人だったりとか……
「あ〜あ!つかれたなぁ!」
昼間の公園。サラリーマンやら営業マンやらが昼食を摂る何やら穴場的な場所。
そこには背が高く、髪型が鳥のような男と、小柄で、髪は綺麗な緋色をした優男が二人ベンチに座っていた。
「剣心。今日は何にしたんだ?」
「んん?」
剣心と呼ばれた緋色の髪をした男は、お弁当箱の蓋を開けながら呼んだ本人を見た。
「何にって、特に変わったものは入れてないよ。ほら」
持っていたお弁当を男に見せる。
「いい加減彼女の一人や二人つくって弁当ぐらい作ってもらえよ」
「左之。彼女は二人もいらないぞ」
「じゃあつくれよ一人。お前のその顔だ。告られた事ぐらいあんだろ?」
左之と呼ばれた男の名は左之助。剣心よりも年下なのだが、お互い仲の良い友達でいる。
左之助は、身を乗り出して剣心の方へ顔を近づける。
「ないことはないけど、俺に気がないのに付き合うのは、その人に悪いだろ?」
「そこから始まる恋もあるかもしんねぇだろ」
「いいんだ。今のところは」
「今のところって、あと2年もしたら三十路のくせによぉ」
「……うるさい」
剣心は今年で28.結婚をしていてもいい年なのだが、色々と込み入って事情があり、未だに独身という形になってしまっている。
「そういうお前の方はどうなんだ?左之」
お返しという様に軽く左之助を睨む。
「まあ、そういう関係にゃまだなってねぇけど、めぼしい奴ならいるぜ」
「噂の高荷さんか?」
「まあな」
残念でしたと言うかの様にケラケラと笑う左之助を横目に、なんとなくおいていかれた感を感じた剣心。
「まあ、人生まだ長い。落ち込むにはまだ早いぜ」
剣心の肩をポンポン叩きながらこニコニコしている。
「ああそうだな。そろそろ時間だ。社に戻ろう」
いつの間にか時間は過ぎていて、もうそろそろ戻らなければいけない時間になっていた。
「そうだな。もうひとがんばりするか」
伸びをして、左之助は立ち上がり剣心と共に帰っていく。