二次創作

□今日のこと…… 明日のこと……
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仕事が一通り終わり、剣心が帰りの仕度をしているところに左之助が寄って来た。

「おい剣心。今日は飲みに行く約束してたよな?」
「ああ」
「わりぃけどよ、今日残業頼まれちまって行けそうにねぇんだ」
「ああ。そうか」
「わりぃな。今度埋め合わせはするからよ」
「わかった」
「じゃあまた明日な」

左之助はそういうと自分のデスクに戻って行った。

そして、剣心はそのまま真っ直ぐ家に帰っていく。

剣心の家は会社からは割りと近く、駅を二個くらいの距離だった。家の近くには高校があり、真っ直ぐ帰るとよく学校帰りの生徒たちとすれ違う。

「彼女か……。いらなくはないけど、つくろうと思って出来るものでもないからなぁ」

今日の昼食の時にでた話題を考え、思わずため息が漏れる。

頭にその話題が戻ってきた理由は簡単。いつの間にか自分の家の最寄の駅についており、その改札や電車の中には男女のペアが多く見られ、カップルだとすぐわかった。

28にもなって未だに彼女のいない自分が少々情けなく、切なく、空しさが心に残ってしまう。

改札をくぐりぬけ、自宅へと足を運ぶ。

やはり沢山の帰り道には近くの高校の生徒たちが帰路についていた。

剣心は特別なことがない限り真っ直ぐ家に帰っている。なので、大体の生徒は何となく顔を覚えている。

「……」

しかし、いつもは見ない様な子が前を歩いてくる。

見た目は美人だが、その中に少々幼い頃の面影が残る可愛らしい感じの少女。

剣心は視線で彼女を追った。

「薫さ〜ん」

すると、彼女は後ろから呼び止められた。

「あら?どうしたの?操ちゃん」
「うん!一緒に帰ろうと思って!」
「そう。じゃあ一緒に帰りましょう」
「うん!」

薫と呼ばれた少女と、操と呼ばれた少女は一緒に剣心の方へ歩いてくる。

その光景を見ながら少女たちの横を通り過ぎた。

(あんな可愛い娘。いたんだな……)

何となく、薫を気にかけたまま帰って行った。



運命なんてわからない。

況してや明日のことなんて尚の事。

今日のことは今日のこと。明日のことは明日のこと。

今日のこと、明日のこと。全ては“今”決まらない。

近い未来に、遠い未来に、“答え”が見出せる筈……。


続く
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