☆ロイアイしょうせつ(おだい)☆
□戦場
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(私だって、渇くの)
戦場で、私は'鷹の目'として駆り出される。
いつものあの人の側から離れて、高台に配置される。
でもスコープから見るのはいつてもあの人。
何があっても守れるように。
そして、すぐに撃ち殺せるように。
スコープ以外からは決して見ない。
銃を投げ出して、すぐにでも駆けていきたくなるから。
戦場では誰もが飢え、渇いている。
私だって例外ではない。
満たし方はひとそれぞれ。
名誉、あるいは女、あるいは酒。
人殺しなどでさえも満たされる人がいるくらい、たくさんある。
でも、私のはただ1つだけ。
(私を満たしてくれるのは貴方だけしかいない)
fin.