☆ロイアイしょうせつ(おだい)☆

□軍人
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(いいえ…)






もう定時もとっくに過ぎ、執務室にはロイとリザ二人きりになった頃。
リザが書類の整理をしている横で、ロイはソファーに浅く腰をかけ、背もたれに深く寄り掛かっている。
手際よく書類をまとめていくリザをそこからじっと見つめていた。
夜独特のしんみりした空気にのみこまれそうになり、阻止するためにはぁ…と小さくため息をついた。
それにはっと、リザは書類からロイに目を変えた。


「すいません、気が利かず。お疲れですか??コーヒーでもお入れしましょうか??」

「あ、いや、大丈夫だよ。」


ロイは申し訳なさそうに眉を寄せるリザに困ったように笑い掛けた。
そうですか??というと、リザはまた書類に目線を落とした。
ロイは自分が昼間サボったせいで、一緒に遅くまで残業するはめになってしまったリザを申し訳なさそうに、また見つめる。

(彼女はこんなやつが上司で嫌じゃないのだろうか??そもそも女性なんだし、軍なんてものにいてやにならないのだろうか??)

やはりしんみりした空気に当てられてしまっているのか、普段は決して思わない様なことが脳裏をよぎる。

(気になるが、嫌だと言われたら相当へこむだろう…)

ロイはちらりと自分の副官を伺い、頭を背もたれの上にのせ、天井を見たまま口を開いた。


「なぁ、中尉」

「はい??」

「いやそのままでいい。…君は…軍人になって良かったと思うかね??」

「えっ…はい??」
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