☆ロイアイしょうせつ☆
□はるのやくそく
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『マスタングさん!見て、綺麗な花がさいてる!』
前を歩くリザがロイを振り返って、道端を指差す。
その指の先には可愛らしい花が一輪咲いていた。
ロイは目の前の少女と彼女によく似た可憐な花を見つめ、花を見つけただけではしゃぐ彼女に笑いながらそっと近づく。
『ああ、これはカスミソウだね。』
『え、そうなんですか!?よく知ってますね。花には詳しいんですか??』
リザが驚いたように琥珀色の大きな瞳でロイの漆黒のそれを見上げた。
短い絹の様な金髪がさらっと後ろに流れる。
『ちょこっとだけね。あ、ここからずっと東の国にはサクラという綺麗な花があるらしいな。』
『サクラ??見てみたいっ!』
リザは期待に満ちた目でロイを見つめた。
そんなリザにロイは顔をほころばせる。
『じゃあ今度一緒に見に行こう!でもこの近くにはないから、リザが大人になったら。』
『ホントっ!?約束よ、マスタングさんっ!』
リザはロイに小指を差し出す。
それにロイは一瞬不思議そうな顔をして、ああ そうか と自分のをそれに絡めた。
ロイのなん回りも小さな小さな小指に。