tale

□なかよし
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「しゃおりん?」
「そう。梢綾。」

小さな少年と少女は向き合って話していた。

「よろしくな、しゃおりん‼」
少年は幼いせいか梢綾がうまく言えないようだ。

「うん。修兵。」
少女もにっこり笑って返す。


先程、流魂街で遭遇した2人は
早速意気投合したようで、ふたりで遊び始めた。

その遊びは、

「ね、かけっこしよ」
「え?….いいよ‼俺速いんだぜ‼」

かけっこだった。






「じゃ、この線スタートね‼」
靴を履いた梢綾はざりざり土に線を引いて行く。

「負けたら、ばつげーむ、だよ‼」
「やってやるぜ‼」

じゃ私がスタート言う、と梢綾が言った。

修兵は、ぶっちゃけ余裕だと思っていた。
こんな小さい子相手だけど本気だしていいのかな、と思うほどだ。

「本気だすぜ!」
「私だって本気だ‼
じゃ、ゴールはあの木ね‼」
「のぞむところだ‼」
「…よーい…ドン‼」

梢綾の掛け声で2人はスタートした。

距離は30mくらいだが、小さな子供にとっては結構長い。
修兵は必死に走って少しリードした。
(はぁはぁ、勝てそうだぜ…)

そう思ったのも束の間、凄まじい速さで小さな少女がゴールへ向うのが見えたと思うと抜かれていて、最終的に大差をつけられて修兵は負けてしまった。
(速っ…)

梢綾はくるりと振り向き、遅れてゴールした修兵を見た。

「しゃ、しゃお、りん…
なかなか…やる、な…」
修兵は息切れしながら言った。

一方梢綾は、呼吸を乱すこともなく、
「ばつげーむだね‼」
と言い放った。










「…なぁ、こんなんでいいの?」

「いいの‼」

梢綾は修兵におんぶされていた。
罰ゲームは、おんぶして、と言うものだった。

修兵は梢綾の歳は分からなかったが、自分より背は小さかったし細かったので罰ゲームの内容は余裕でこなせるものだった。

梢綾は、ぎゅっと修兵にしがみついて彼の背中に顔を埋めていた。

梢綾はあまり人付き合いが得意ではなかったので、なるべく顔を見られたくなかったのだ。
そんななか、やっと仲良くなれた唯一の人と、もうすぐ別れなければならない。
子どもとはいえ、流魂街の者と頻繁に遊べぬ事くらいは分かっていた。

初めての友達と別れる寂しさを
少し背中で揺られて紛らわした。


もうすぐ瀞霊廷に着いてしまう。
梢綾は少し手に力を込めた。

「あ、あの…修兵。」
「んー」
「も、いい。下ろして…
……今日はありがとう。」

「おう‼また遊ぼうぜ‼」

二カッ、と修兵は笑った。
梢綾も、はにかんで、そして走り去った。

「しゃおりん行っちゃった…」

とても短い間しか遊べなかったが修兵はとても楽しかった。

「…また、遊ぼうぜ。絶対。」

小さくなる梢綾の後ろ姿に小さく呟き、修兵もその場をあとにした。













あとがき♡♡♡♡♡

わーぉwwww
これまた意味不明ww

なかなかやりますね、私。笑
素直な砕蜂と修兵を書きたかったのですが…(泣)
すみませぬ…

本当に本当に

ここまで読んでくださりありがとうございましたm(_ _)m
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