学園日和

□お約束
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「そういえば、名前ちゃん。今日の不良見回り、」

「閻魔先輩ストップ!」


私は最近カツアゲなどされていそうな場所を見回っているわけだが


「先輩。あんまり大きな声では...」ヒソヒソ

「え?あ、妹ちゃんか。ゴメンゴメン知られたくないんだっけ」


閻魔先輩の言うとおり、私は自分が不良を倒して回っていることを知られたくない。
もし、知られて引かれる。なんてことになったらお終いだ。
ちなみに閻魔先輩は私が小野君が好きなのを知ってる。というかバレた


「?見回り?」

「う、うん。見回りを名前ちゃんに頼もうかと思って」


゙不良゙の部分は聞こえていなかったらしく安堵する


「苗字さん1人でですか?」

「いや、俺も」

「会長は仕事があるでしょう」


まだ判の押されていない資料の山を見て小野君が言う


「じゃ、私が行くでおま」

「太子先輩もですよ」

すかさず鬼男君が言う

「私1人でも大丈、」

「名前前迷ったの忘れたんですか?」


曽良がプリントを見たまま言う。
迷ったのはあまり行かない棟だったからで今は大丈夫だ。たぶん


「誰かがついていくことになるね」

「じゃあ、曽、」

「僕はパスです」


本当は小野君と2人で周りたいが、不良相手に戦うとこを見られるわけにはいかず、
幼馴染みだからという理由で曽良と行こうとしたらあっさり断れる。
睨むとフッと笑われた。今日は海の日か何かですか


「あ、じゃぁ僕が行きますよ」


そこで立候補してくれちゃったのは小野君


「俺も職員室に用があるのでそこまで行きます」


と言ったのは、
すでに私が人よりちょっとだけ強いことを知ってる鬼男君


「妹ちゃんは、ほら。俺ら監視してなくていいの?」


助け船を出してくれる閻魔先輩だが、言ってることは結構ギリギリである


「僕が見張ってますのでご心配なく」


またもや曽良が邪魔をする。
絶対アイツは私の危機を楽しんでる!


「では、行って来ますね」


小野君を筆頭に廊下に出る。
まぁ、要は不良に出くわさなければいいのだ。
最近は落ち着いていて何もないし大丈夫だろう


「あ、じゃ俺コレ先生に渡して来るから」

「うん、僕たちは一階を周ってるから」


ついに小野君と2人になってしまった


「こうやって話すのは初めてだね」


そう言って笑う小野君は王子様に見えた。
えぇ、私の王子様ですとも


「そ、そそそうだね」


そ、言い過ぎだ私!


「苗字さん会長とばかりいるからね」

「それは・・・あははは;」


会長につっかかってくる奴を倒してるからです;


「ん?あれは・・・」


小野君が窓の外を見て言う。
建物の陰に数人の生徒がたまっている。しかもあれは他校の制服だ。
そして、その中央にいるのは言わずもがな本校の生徒


「なんであんなとこに他校の生徒が」

「苗字さんはここで待ってて、僕が行ってきますので」

「え、私も行く!」

「ダメだよ。危ないから」

「危ないと思ったら逃げるから!お願い」


一歩も引かないと思ったのだろう、小野君は溜め息をつくと連れて行ってくれた。

なんでこういう日に限って問題が起きるのか。



お約束なんていらない












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