始雲天

□TVは見るもの
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「貴方が真選組の紅一点。白雪紅花さんですね!」


カメラが近付いてきて、マイクが私に向けられる


「はい。真選組一番隊隊長補佐官の白雪紅花です」


はい。なぜカメラに映っているかというと、密着!真選組24時とかなんとかで、
とにかく真選組の特集番組をやるらしく、取材をされています


「先ほどの早朝の稽古には来ていませんでしたが、どちらに?」

「私は別の場所で稽古を。私は刀では戦わないので・・・」


ぶっちゃけ寝てました。←えぇいつもは参加してますとも、今日はうっかりしてたんです;


「それでは、質問コーナーに移らせていただきますね」


来い!私は今日のため、何を聞かれてもいいように局中法度を1から暗記したんだ!


「女性1人ですが、真選組の誰かと付き合っていたりするんですか?」

「・・・え」


え、質問ってそういう質問ンンン!?


「いや、誰とも付き合ってないです」

「そうなんですかー。では、気になっている人とかはいますか?」


ええええええ、まだ聞くのこの質問?
真選組関係なくね!?せっかく面倒だったけど頑張って覚えたっていうのにィィィー!!


「紅花。何してんでィ」

「あ、沖田隊長さん。ちょうど良い。沖田隊長は白雪さんのことどう思いますか?」


総悟さんンンン!お願いだから余計なこと言わないで!!


「紅花ですかィ?うーん従順な・・・ど、ムグッ」

「ど?」

「同僚です!!お互い上司に従順な同僚です!」


コイツ奴隷って言おうとしたぞォォォォォォォ!!
言う前に私が手で口を塞いだから良かったものを!!


「へぇ〜!お2人は仲が良いんですね!」

「えぇ、まぁ;あはは」


キッと総悟さんを睨む。


「余計なこと言わないで下さいよ!そして何度も言ってますが私は総悟さんの部下じゃないです!」コソコソ

「誰も部下だなんて言ってないだろィ。奴隷でさァ」

「だから、それも違うっつってんだよ!」


後ろを向かせ、マスコミの人に聞こえない様に文句を言う


「あのー・・・。質問の続きよろしいですか?」

「あ、大丈夫でーす」


総悟さんには後で団子を奢るというこで仕事に戻ってもらった。
このまま残られたら話がややこしくなる


「白雪さんの真選組として戦う理由はなんですか?」








真選組として・・・
戦う理由・・・










「えっと、それは」









なんだろう









「私は、近藤さんに拾われて、戦闘力をかわれて真選組に入れてもらいました・・・だから」


近藤さんに恩を返すため?
違う。正確にはそれだけではない・・・はず
じゃぁ、私は何のために真選組として戦ってるんだろう


「白雪!!」

「っ!はい!!」

「喧嘩が起きていて来て欲しいとの通報があった。お前はそっち行ってくれ、俺らは別件に向かう」

「了解」


カメラは土方さんの方について行くらしい。
・・・正直助かった








「はいはーい。どいてー警察です」


通報のあった河原につくと橋には人だかりができていた


「たく、誰だよ。喧嘩なんてしようとしてるや・・・つ、は・・・」


こ、近藤さんンンンンン!?いやいやいやいや!こんな真選組が忙しい時に近藤さんがこんなとこにいるわけが、


「あ!紅花ちゃーん!紅花ちゃんも俺の勇姿を見に来てくれたの?」


近藤さんだったァァァァァ!!
何やってんだよォォォ!!なんで喧嘩なんてしようとしてんだあのゴリラ!!!


「あの、貴方あの人のお知り合い?」

「紅花さんなんでここに?」


声を掛けて来たのは1人の女性。と新八君たち


「不本意ながら上司です。通報があったから来たんだけど・・・新八君たちはなんでここに?あとこの方は?」


この方は志村妙さんで新八君のお姉さんらしい。
そして今いない銀さんが、お妙さんを賭けて闘うんだとか・・・ていうか


「ほんっとうちのゴリラが迷惑かけてすんませんンンン!!」


警察がストーカーするとか何考えてんだァァァァァァ!!!!!


「あら、紅花ちゃんが気にすることじゃないわ」

「あっ!姉上たち!銀さん来ました」


河原に視線を落とすとそこには銀さんが立っていた。
私は喧嘩を止めに来たんだけど、この際うちのゴリラをボコボコにしていただきたい


「銀さーん!うちのゴリラこう見えて強いんで頑張って下さいー!」

「紅花ちゃアアアアん!?なんで?近藤さんの応援は!?ていうか今ゴリラって!!」

「あ?紅花来てんの?」

「おい!お前紅花ちゃんにまで手を出したのか!!」

「ちげぇよ!!あー、ややこしい。とにかく今回の決闘だがな」


自分の命を賭けることによって結局はお妙さんを渡さない。と


「大丈夫かな。アレでも一応うちの大将だしな」


木刀を握りお互いに踏み出した・・・瞬間に近藤さんの方の木刀が折れた


「え?」


銀さんの一撃が近藤さんの頬に直撃し、勝負は一発で決まった


「見損なったアル!」

「ズルして勝って嬉しいんですか!?」


と、他2人には不評。
だけど、心なしかお妙さんは嬉しそうだった


「さて、」


みんなになんて言おう


(おい、アレは近藤さんに似てるゴリラか何かだよな?)
(いえ、近藤さんです)
(・・・。)









 

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