夢小説〜鬼灯の冷徹(LONG)〜

□突然の昇格?
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大きな扉を開けるとそこにはとても大きな部屋と真ん中には大きな机と椅子、それから人(?)が居た。

「奈鶴さん。アレが閻魔大王です」

こっちを見て閻魔と呼ばれた人を指す鬼灯様。

「あ、鬼灯くん!何?どうしたの?」

鬼灯様を見つけ人の良さそうな笑みを浮かべる閻魔様。
何というか、私が想像してた怖い閻魔様像が一瞬で崩れ去る破壊力でした。

「閻魔様。この方が今回の試験を首席で合格した方です」
「え?あれ?君は白澤くんのとこの子だったよね?」

和漢親善競技大会に出てたよねーと呑気に思い出す閻魔様。
なんと、かの閻魔様は私の事を覚えてくださっていたらしい。

「あ、えっと奈鶴と申します」
「うんうん。宜しくね奈鶴ちゃん!」

人の良さそうというか普通に人が良かった。
と思っていると閻魔様ー!と呼ぶ声が聞こえたと思ったら小さな鬼が二人ほどこっちに向かって慌てて走って来た。

「どうしたの?茄子くん。唐瓜くん」
「あの!今日来るはずの獄卒、一人足りなかったのですけども何か知りませんか?」
「大丈夫ですよ、唐瓜さん」
「鬼灯様?」

ぽかんとした顔の小鬼二人。
誰の事だろうと首を傾げると鬼灯様に背中を押された。

「あ、あの?」
「この方がその足りない一人ですよ」
「わ、私の事だったんですか?!」
「当たり前でしょう?こっちに直で来てしまったんですから顔すらでしていませんでしょう」
「そういえば…」

ごめんなさいと二人の小鬼に告げると良かった〜と言われた。
なにが良かったのかわからないが安心したようだ。

「んでも、なんでここに居るんですか?」

白いふわふわの小鬼は不思議そうに鬼灯様に尋ねた。

「あ、それ私も気になります」

白い小鬼に賛同してはいはーいと手を上げて聞いてみる。
なんだか馬鹿っぽいが気にしない。

「それはですね」
「ごくり」

鬼灯様の次の言葉を待つ私と小鬼二人。

「奈鶴さん。貴方を獄卒としてでなく、私の秘書、まあお手伝いさんみたいな形で雇おうかと思いまして」
「いいねえ鬼灯くん。確かにお手伝いさん欲しいって言ってたもんね」
「ええ、彼女なら丁度いいかなと。面識もありますし、何よりあの白豚の下で培った経験が彼女にはありますから」
「うんうん。まあそこらへんは鬼灯くんに任せてあるし好きにしなよ」
「はい」

どうやらなにかが納得したらしい。
状況が読み込めず二人の小鬼と屈みつつ丸くなって話し込む。

「えっと?これはどういう状況なんでしょう?」
「いや、俺もわかんない」
「茄子と同じく俺も全く」
「二人ともわかんないよね…。私もわからないです」

三人揃って分かっていない。
これは困ってしまったと言う風に考えていると、鬼灯様が私の手を取り立たせた。

「貴方は今日から私の秘書になると言っているのですよ」
「いやあの、鬼灯様?」
「よく考えたら大王の秘書の私が秘書をとるなんて面白い話ですよね」
「いや全然面白くないんですが」

小鬼の二人は立たされた私をしばらく見てから

「「それって大昇格じゃん!」」

と声を揃えて驚いた。
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