夢小説〜鬼灯の冷徹(LONG)〜

□鶴の意趣返し
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ガラッと戸を開けると白澤様が椅子に座って考え事をしていた。

「只今戻りました。あと地獄に人員募集したら本当に来てくださいましたよ」
「うん。でも今それどころじゃない」
「さっきのお嬢さん、失敗したんですね」
「それでもない!」

座って眉間にシワを寄せていた白澤はガタンと椅子を倒す勢いで立ち上がった。
そしてこっちを見て多分さっきまで考えた事を私にぶつけてきた。

「何が不満なの奈鶴ちゃん?お給料?場所?労働時間?」
「いえ、強いて言うなら白澤様、あなた自身に対して不満が沢山ありますね。ありすぎます」

分からないというようにまた考え込む白澤様に近付いて真っ正面に立った私。

「じゃあ白澤様」
「なに?」
「私が白澤様の不満な所を10個言えたら獄卒になってもいいですか?良いですよね?」
「い、言えるわけないじゃん?いいよ、受けて立つ」

火花を散らしながら睨み合う二人。
入って早々に始まったこの状況に着いていけない桃太郎はただ呆然と見守るに徹していることに気づかずに。
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