夢小説〜銀魂(LONG)〜

□第五訓
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「ふー。食った食った。もう食えないや」
「どんだけ少食なんでさァ。あのくらい余裕で食えやしょう?」
「いやいや多いってあれ」

美味かったなあと昼食の感想を言いながら屯所探検を再開すると門の方が何やら騒がしい。
沖田も気付いたらしく取り敢えず行ってみる事になった。

「おいおい。チンピラ警察さんはついに人攫いかァ?」
「わけわかんねえ事言ってんじゃねえぞ万事屋」
「うちの玉藻ちゃんが今朝早くに御宅らに連れてかれるのを見た方がいるんですよぉ」

門に近づくにつれ、その正体がわかった。
それにしたってなんでまたこんなところまで…。

「銀時!!」
「あ、やっぱり居んじゃねーかよ玉藻ちゃん」
「なにしてんだって全く」
「いやいやこっちの台詞だっつーの。お前こそ何してんだよ」
「新撰組屯所見学」
「はあ??」

声の主は銀時だった。
怪訝そうに聞き返す銀時。
てかうちの玉藻ちゃんって何。
何時の間にあたしゃ坂田家の一員になったのさ。
土方はあたしと銀時を見比べるように見やる。

「なんだお前、万事屋と知り合いか?」
「まあ」

土方の質問はなんとも答えづらい。
旧友?
これが一番近い答えなのかな?
なんて思ってると銀時が先に答えを出した。

「恋人ですぅ」
「巫山戯た事を抜かすと切るよ銀時」
「ごめん冗談」

刀に手をやると降参のポーズ。
最初からそういうギャグはやめろと言っているんだがいつになったらこいつは人の話を聞くのだろうか。
沖田は不思議そうに顎に手を当て銀時に質問した。

「なんで旦那はここに来たんですかィ?」
「あ?」

なにいってんだこいつという視線が銀時から沖田へ注がれる。

「さっきも言ったろ。玉藻ちゃんが連れて行かれたっつーから慌てて来たんだよ」
「誰だよそんなデマ流したの」
「御宅のお隣さんだよ玉藻ちゃん」
「まじか」

なんとどんな見間違いをしてくれたんだ山田さん(お隣の人)。
まあ確かに出かける前は土方に無理矢理パトカーん中に詰め込まれてそう見えても仕方のない事かもしれない。

「全部このチンピラが悪い」
「は?なんで俺なんだよ」
「お前がパトカーん中にあたしをぷん投げたのが一番の理由だよ馬鹿」
「オメーに馬鹿って言われたかないわ馬鹿!!」

横でやいのやいのと騒ぐ土方を他所に銀時はあたしをあちこちペタペタ触ってきた。
なにしてんだこいつ。

「怪我は?どっかねえの?」
「ねーわ。あったら今頃そこのニコチン野郎ぶった切ってるっつの」
「それもそうだな」

そう言うと少し安心した顔をした。
こいつ、こんな顔してたっけか。

「ていうか銀時」
「あん?」
「触診かなんかのつもりかもしんないがペタペタ触るのやめろや」
「なんでだよ」
「セクハラやーあかんお巡りさん助けてー」
「はああああ?!?!」

気づいてなかったらしいので嫌がらせをしてみる。
慌てて止めにくる銀時を他所に土方はこいつをしょっぴける日が来るとはと嬉々としてお縄ちょうだいし始めた。
そして銀時と土方の鬼ごっこが始まった。
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