夢小説〜銀魂(LONG)〜

□第四訓
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歓声に包まれる道場。
玉藻自身は特になんでもないかの様に自分の刀を脇に差した。
土方はそのまま胡座をかき、煙草を吸い始めた。
差し直した玉藻の周りには大勢の隊士が集まってきた。
適当にあしらいながら軍団を抜け沖田を見つけると

「たいちょーさんー。厠どこー?」

と質問した。

「あ?小便ですかィ?案内しやすぜィ」

さらりと汚い事を言うと厠に案内してくれるのか歩き始めた。
玉藻はその少し後ろをちょこちょことついていく。

「にしても玉藻さん凄いですねィ。まさか土方コノヤローに参ったなんて言わせるとは思ってなかったでさァ」
「そりゃどーもっと。別に特に特別な事なんかしてねーさ」
「竹刀で抜刀ってのは特別じゃねえんですかィ」
「あんなもんやろうと思えば誰だって出来る。ただ、手が痛えだけだ」

は?と沖田は振り返ると鞘の代わりに使った左手を沖田に見せるように差し出す。
そこには赤くなったりミミズ腫れが出来たり血が滲んだりなど散々な左手があった。

「あぁ。確かにこりゃ痛そうでさァ」
「こんなに赤いんだから痛いに決まってんだろ」

ぷくっと頬を膨らますと沖田はペロリと左手を舐めた。

「〜〜ってえ!?」

ビクッと肩を震わせ手を引くとさらに強く握られまた舐められる。
満足したのか意地の悪そうな顔で此方を見上げる沖田。
ドS全開である。

「その眉をひそめて耐える表情はなかなかそそりやすねェ」
「おまっやっぱドSだったのか!!」

若干引くどころかかなり引いて数歩下がる。
が、手を掴まれているため思うように逃げられない。

「ぐぬぬ…離せこのヤロー…!」
「嫌でさァ」
「こいつっ…!!」

思い切り手を引くとあっさりと手を離された。
ふぅとため息をつき、手をさすりながら沖田を睨むとまたも意地の悪そうな顔で目線を合わされた。

腹立つ顔してんなこのヤロー…!
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