夢小説〜銀魂(LONG)〜
□第三訓
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「あっぶね…お前、アレあたしじゃなきゃこの程度ですまないレベルの投げ方だったぞ?」
いててと投げた時にぶつけた腰をさすりながら同じく後部座席に乗り込んで来たチンピラを蹴りながら文句を言う。
「俺の方が痛えわコラ」
「投げといたお前が言えるのか。ブーツだって置きっぱなしであたしに裸足で歩けって言いてぇのか?」
「あん?ちゃんと持ってきてやってるのにそれかこのクソガキ」
いつ持って来たのか分からないがあたしのブーツを持ってきてた事に驚いた。
ほらよと此方にブーツを渡し、履くように促された。
渋々とまではいかないものの不機嫌そうに渡されたブーツに乱雑に足を入れた。
「なあ」
「なんだよチンピラ。」
「チンピラじゃねえ土方だ」
「細けえな。なんだよ?」
若干イラつきながらそちらに顔を向けると玉藻の体のあちらこちらを見回す土方。
「なんでお前、あっちこっちに包帯巻いてんだ?」
「あ?んなこたァどうでもいいだろ?お前に関係ねえし」
「………」
聞いた俺が馬鹿だったと言いたげな顔をされた。
親しくもねえ野郎に教える義理なんざひとっつもねえ。
フンッと鼻をならし窓の外に見える景色をなんとなしに見ていると屯所らしき大きな平屋が見えた。
「着いたぞ」
土方のその一言を合図にパトカーのドアが自動で開いた。
タクシーかよなんて心の中でツッコミながら新撰組屯所の敷居を跨いだ。