夢小説〜short詰め合わせ〜

□特別な手作り
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教室に入るのも躊躇われ、まだ少し時間があるからぶらぶらしようと歩き出すとまた人だかりが。

「今度は誰…?」

目を凝らすと人だかりの中心は氷室先輩のようだ。
あの人もモテるんだっけ。
モテる男は辛いね、なんて思いながら横をすり抜けると誰かに腕を掴まれた。

「あの!」
「はい?」
「む、紫原くんの部活のマネージャーさんですか?」
「そうだけども」

腕を掴んだのはボブカットの美少女。
顔を真っ赤にしながら必死で言葉を紡いでいる。
なにこの子可愛い。

「これっ紫原くんに渡してもらえませんかっ?!」
「ん?」

可愛らしくラッピングされた箱を渡された。
渡した本人はこれが精一杯だったのかすぐに走り去ってしまった。

「ありゃー…どうしようか……まあ、いっか」

渡された箱を手提げに入れて気を取り直して中庭に日向ぼっこをしに歩きはじめた。
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