夢小説〜short詰め合わせ〜

□嫌いじゃない。
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「赤司っちー?」
「ここにいる。」

扉を開けて顔を覗かせたのは金髪の黄瀬だった。
俺を見つけて嬉しそうに「あ、奈鶴っちも居た!」と言い手を振ってきた。
黄瀬はちょっと苦手だ。
なんかキラキラしてるのが苦手だ。

「それで用事とはなんだい?」
「あ、そうっス!青峰っちが相手して欲しいとかなんとか言ってたっス。」
「そうか。そろそろ行かなければ。奈鶴、行くぞ」
「へーい。」

立ち上がった征ちゃんの後について部室を出る。
後ろで黄瀬が、奈鶴っちもバスケしましょうっスとか誘ってきたけど絶対に嫌だって答えてやった。
バスケットコートで嬉しそうに青峰が待っていた。

「やっと来たか。黄瀬は弱いし紫原はやる気ないし緑間はずっとシュート練してるしつまんなかったんだよな。」
「だからといって黄瀬をパシリに使うか?ふつーは自分で行くだろうが。」
「なんか言ったか奈鶴」
「べっつにぃ」

ふんっと二人同時にそっぽ向く。
バスケが好きなこいつとは馬が合わない。
だからいつもいがみ合っている。

「まーまー二人とも落ち着くっス」
「うるせー黄瀬」
「黙れ黄瀬」
「なんでこんなタイミングで息が合うんっスか?!」

黄瀬が泣きながら反論してくる。
俺はマネージャーの仕事をしなくちゃと思い、さつきの手伝いをしに行った。

★★★★

「にしてもほんっとに可愛げがねえよな、奈鶴ってよ」
「そんな事ないさ。実はすっごい可愛いぞ。」
「俺もそんな気がするっス!」
「なになにー?椎名さんの話してんのー?」
「紫原か。奈鶴ってさ可愛げねえよな」
「いや峰ちん、椎名さんは可愛いしー。」
「紫原っち?!もしかして奈鶴っちのこと好きなんじゃ?!」
「うーん。どうだろー、わかんない。」

★★★★

「よっと。さつき大丈夫か?なんだったらそれも持つぞ?」
「ううん。大丈夫。ありがと奈鶴ちゃん」

さつきに手伝う事がないかと聞いたらスポーツドリンクが切れているから一緒に買いに行って欲しいと言われた。
そして買い出しも終え、帰り道の事だった。

「ちょっと、そこの二人」

体育館に行く途中。
なんか知らない女子中学生に囲まれた。

「んー?どちら様でしょう?」
「奈鶴ちゃん!何で知らないの、女子バスケット部の人達だよ!」
「あ、ごめん。人覚えるの苦手でさ。だからバッシュ履いてたんだ。」
「もう!」

囲まれている時にする呑気な話では無いのだが呑気に話して居た。
しかし女子バスケット部の方々が我々になんの御用だ。

「あんた達さ、バスケ部のみんなに何してんの?」
「マネージャーしてます。」
「そうじゃねーよ!」

一人の女子が俺の言葉に反応し、俺を引っ叩いた。
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