夢小説〜鬼灯の冷徹(LONG)〜

□昔々、鶴の話
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始まりは中国の湖北省にある武漢市の武昌。
揚子江の蛇山の上にある黄鶴楼って知っていますか?
そうです、吕洞宾は鶴に乗って昇天したことで有名なあの黄鶴楼です。
魯班が一昼夜で作った楼に残された木の彫刻の鶴、それが私です。
え?木の彫刻の鶴と生きている鶴は違うって?
まあまあ、そう言わずに聞いてくださいよ。
この魯班が残した鶴の彫刻をたいそう気に入った吕洞宾は楼の中ではかならず隣に置いておいたのですよ。
そりゃもう友人や家族なんかよりもずっと近くに居るのでは?という程に。
ある時、何を思ったのか木の鶴の上に乗ってみたのです。
すると予想外な事に鶴は動きだし吕洞宾を上に載せたまま楼を抜け出しました。
そして空へ舞い上がっていき、楼の上空を三周旋回すると鳴き声を残し鶴は吕洞宾と共に白い雲の中に消えていったという伝説です。
まあ、実際にその後吕洞宾を天国に連れていったのですけどね 。

「ふーん。なるほど。奈鶴ちゃんは仙人とお友達なわけか」
「え、吕洞宾って仙人だったんですか!?」
「知らなかったのですか…」
「はい。歌ったり踊ったり笛吹いたり陽気なおじいちゃんだなあと」
「あははっ吕洞宾にそんな口聞けるのは神獣の僕以外なかなか居ないんじゃないかな?」
「んもうっ知らなかったんです!」
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