夢小説〜鬼灯の冷徹(LONG)〜

□来客既に遅し
1ページ/4ページ

私が地獄で鬼灯様の秘書をやり始めてから既に1ヶ月は経った。
珍しく大量に出された資料を分ける作業をかれこれ1時間程やっている。
誰が出したのってもちろん、鬼灯様以外にいるはずがないでしょう?

「あとちょっとで終わりそうなんですけどねー」

そのあとちょっとがなかなか進まない。今日はいつもに増して多い気がする。
ていうかこの量は陰謀めいた何かを感じます。
うーんと唸りながら資料を分けていると扉を開ける音共に誰かが入ってきた。

「わんわん!奈鶴様!遊びに来たよー!」

暗い気分の中に癒し降臨。
可愛らしい白犬がアニマルセラピーしに来てくれた。(思い上がり)
モフモフが私の元に来てくれたこの奇跡に感謝します!
ありがとうございます御仏!!
と内心めちゃくちゃ喜びながら平静を装いシロさんを撫でる。

「わっシロさんじゃないですか。どうしたんですか?」
「遊びにきたのー!」
「でも大丈夫なんですか?お仕事は?」
「へいきー!」

にへっと破顔する犬。
そうです。
この遊びにきたといっているシロさんは桃太郎伝説で有名なお犬様なのです。
どことなくとある携帯会社のお父さんに似てるのは黙っておきましょう。

「まあ、ゆっくりしていってくださいな」
「はーい!ってうわ!?何この資料の量…!?」

癒シロ(いやしろ)さんが降臨したのだからと膝の上に乗せると机の上の資料の多さに驚かれてしまった。

「確かに今日はいつもに増して多いんですよね」
「大変だね。奈鶴様も」
「ていうかシロさん。様って付けなくて良いと言ってるじゃないですか」

頭を撫でながら様付けするシロさんに文句を言う。
これだけは譲れないよ!と言うシロさん。
可愛らしいじゃないですか本当に。

「あっそうそう!奈鶴さまー!」
「なんです?」
「夜叉一先輩とお局さま結婚するんだって!!」
「あら、ついにご結婚ですか。長かったですね」
「うん!あとなんか今日はおっきい人が鬼灯様と一緒に居たよ!」
「おっきい人?」

私の知る限りおっきい人は閻魔様ぐらいしか知らない。
でもシロさんは閻魔様の事を知っているからそう表現しないでしょう。
まさかのお客人?
だから私の仕事量が多いのでは?
えっ厄介払いされたのかな?私。
気を取り直してそれはないと裏付けたい為にシロさんにいくつか質問をする。

「あのそのおっきい人はどんな方でしたか?」
「えっと、角が生えてて、肌が茶色で、毛皮の腰巻してたよ!」
「け、毛皮の腰巻っ!?」

予想外のお召し物。
角があり毛皮の腰巻という事は、鬼のお客人という線が濃い。
て事はただの鬼灯様のお友達?

「あとね、羽生えてた!!」
「は、羽ですか?」

これまた予想外。
鬼のお客人という線は今の一言でぶつりと切れた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ