夢小説〜銀魂(LONG)〜
□第十一訓
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「ガハハハハハハ!高杉殿よくやってくれた!これでワシに仇なす反乱分子は消えた!!」
全てを終えたあたしらは下品に笑うアホウ提督と食事をさせられていた。
いや、あたしは一応護衛なので座って食事とはしませんけど。
てかなんでこんな事しなきゃいけないんだっつーの。
「勾狼もその働き見事であった。そちの春雨での地位はわしが約束しよう」
そこからまた、ながーい話が行われた。
お犬さんのモチベーションの話とかかなりどうでもいいし。
「……ちと、勿体無い気もしたがな」
横であくびをしていると晋助が口を挟んだ。
「あのガキ、象さえ一瞬で混濁させる毒矢をあれ程あびて玉藻の一太刀をうけてなお、最後まで笑ってやがったな」
そうだ。
あの男めがけ躊躇いのない一太刀を浴びせたはずなのにアイツめっさ元気だった。
「あの手負いで勾狼団長の手勢が二十余名を殺っちまうたぁ奴を狩るための損害よりも奴が抜けた損害の方が甚大な気がするねェ」
「あ、それあたしも思った。アレは勿体無よなァ」
あれだけの被害を出しておきながらそんなものはどこ吹く風と気ままに話すアホウ提督。
「かまわぬさ高杉殿。あいた穴はそちら鬼兵隊が埋めてくれるのであろう」
それが当たり前だというように言うアホウ提督を晋助は鼻で笑った。
「悪いがそれは遠慮させてもらうぜ。鶏口となるも牛後となるなかれってな。海賊の大幹部よりもお山の猿の大将やってた方が俺ァ気楽でいい」
晋助が立ち上がった。
どうやらお話はこれまでのようだ。
「それに俺ァ、この『鬼兵隊』の名を捨てるワケにはいかなくてな」
ドアに向かい歩いていく晋助の斜め後ろに着くと、嬉しそうに鼻で笑った。
「なら、恩賞は…」
「何もいらねぇさ。今まで通りもちつもたれつで行こうぜ」
そう言うと扉を開け、出て行く晋助。
一応礼儀としてアホウ提督とお犬さんに頭を下げ、晋助の後に続いた。