夢小説〜銀魂(LONG)〜

□第十訓
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あたしは今、宇宙船に乗っている。
話によると宇宙海賊とかいう美味しそうな名前の組織の奴らに会いに行くらしい。

「宇宙は真っ暗でどこもかしこも似たような風景だからつまんねーや」
「来て早々文句を言うとは大した度胸だなァ?玉藻」
「うひゃあ!?」

ぬっと後ろから出てきた大きな手があたしの首に巻きついてきた。

「なんだその間抜けな声は」
「た、高杉…」

声の主は予想通りの人間だった。
物凄く不機嫌そうな顔してます。
下の名前で呼ばなかったのがいけなかったのだろうか…。

「あ?もっかい言ってみろ」
「し、晋助…居たのか…」
「俺の船なんだから俺が居ねえ訳がねえだろ」
「その通りでございます…ハイ」

巻きついた手は首から徐々に腰を抱くように下がっていく。
なんだこれ。

「なにしてんだよ晋助…」
「何って抱きしめてんだよ。久しぶりに触ったからな」
「いやいや意味わかんねえよ」

閉じ込められるように抱きすくめられる。
身動きが取れない。
そもそもこの状況になったのが不思議でしょうがない。
首に顔をうずめられて晋助の髪がくすぐったい。

「そろそろ離してくれよ。もしくは依頼内容を話せよ」
「気の短い女は嫌われるぜ?」
「はん。気にしねえ」
「俺はそんなお前が好きだがな」
「どうもありがとさん」
「結構本気なんだが」
「へー。そーかい」

いつものように受け流していると耳を噛まれた。
血が出るんじゃないかっていうくらいの勢いで。

「痛えよ晋助」
「お前が悪い」
「んな事言われてもなー」

返事らしきものは出来ないのであたしの首にうずめられた晋助の頭を撫でる。
気分を良くしたのかやっと離してくれた。
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