夢小説〜銀魂(LONG)〜

□第七訓
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今日も今日とて薄暗い曇天の日だった。
戦地に行く前、近くの仲間がとある噂話をして居たのを何となしに銀時は聞いていた。
そいつらの話によると戦場にまだ小さな女の子が出るらしい。
死体を漁って飯を探すのでなく、生きた奴を狙って出ると。
また、そいつが幽霊なのか人間なのかすらわからない。
何故ならそいつを見た奴は大抵殺されてしまうから。
誰がつけたのかわからないがそいつには名前があった。

紅鬼姫(あかおにひめ)

そいつはそう呼ばれていた。




身を隠すため、近場の草木の鬱蒼とした森に身を潜めていると後ろから物音がした。
先程仲間が話していた事を思い出し、刀を構え後ろを向くも誰も居なかった。
代わりに居たのは蛙一匹。
いつもより臆病になっている自分を叱責し、もし敵が居たらと思い森の奥に銀時は足を進めた。





しばらく歩くとふわりと血の匂いがした。
その血の匂いは森の奥に進むにつれどんどん濃くなっていく。
刀を構えたまま無意識のうちに少し歩調を早めていた。
足元が赤く染まっているのは血のせいだろう。
これは人間の血か、はたまた天人の血か。
進んで行くと光が見えた。
そこは森の中の開けた土地だった。

「こんな所があるなんて」

突然暗い森の中から光の差す開けた土地に来たため眩しさに目を細めながら前方を確認すると、そこには積み上がった死体の山とその頂上に人影があった。
その刹那、銀時は真上から刀を振り下ろされた。
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