夢小説〜黒バス(long)〜

□デルモくんとモデルちゃん
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「あ、あの!菜花ちゃん!!」
「ん?」

あたしは時間通り指定の場所に来ていた。
今朝の下駄箱に入っていたラブレターの数は12通。
よくもまあ飽きずに送ってこれるものだ。

「ず、ずっと前から菜花ちゃんが好きです!」
「へー」
「つき、付き合って下さいっ…!」
「え、ごめん無理ぃ」

よく告白場として使われる体育館裏はあたし達、女子バスケットボール部の使用している体育館だ。
そんな裏で告白するとはみんな正気の沙汰じゃない。
まあ、あたし的には行くのが楽だし何かあったら皆を呼べるから大助かりだけど。

「む、無理…?」
「あったりまえじゃーん?見た事も聞いた事もない君と付き合うなんて想像しただけで身震いしちゃうしー。」
「そ……んな」
「んでもぉ好きって言ってくれてありがとー!ちょー嬉しかったよん」

青ざめていた男はあたしの知らない男で、一言も喋った事のないブス。
失礼だけど顔面偏差値では下の下。
とっておきの笑顔でありがとぉってお礼を言って部活に戻ろうとすると、うざったい黄色の犬がいた。

「何してんのよパクリわんこ。」
「別に。なんでもねーッスよ?俺も告られてその帰りだっただけッスから」
「ふーん。んで?この手は何?」

横を歩いて戻ろうとした時、黄瀬に腕を掴まれた。
か弱い女の子の手を掴むにしては少し力が強いんじゃないの?

「菜花っち…あの言い方はないんじゃないッスかね」
「はぁ?何言ってんの?さすがに黄瀬でもあたし、キレるよ?」
「俺は菜花っちを心配して言ってるんスよ?」
「あんたに心配される程あたしぃヤワじゃないから?いい加減離して欲しーんだけど?」
「誰かに逆恨みとかされるかもしれないッスよ?」

なんでこいつは今にも泣きそうな顔して訴えているんだろう?
普通、女のコのあたしが泣きながら訴えるものだけど。
女々しい犬だ。
可愛くもなんもないっつーの。
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