夢小説〜short詰め合わせ〜
□気づいてしまった。
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いつもみたいに目覚めて
いつもみたいに友達と登校して
いつもみたいに恋バナしてたはずなのに
「ねえどうしよう〜また紫原くんとケンカしちゃったよ〜」
「はあ?またやったんスか?奈鶴っち」
「だって…紫原くんがお菓子食べちゃったんだもん…」
いつもみたいにクラスメイトの黄瀬くんに恋愛相談。
家の方向が同じだから必然といえば必然的に仲良くなった。
だからこうやって気軽に恋バナできるのだ。
といっても中学始まってまだ3ヶ月くらい。
そんな簡単に信用するのはどうなんだって言われたらそれは言い返せる自信はない。
でも実際、すっごい優しいし。
「奈鶴っちもそろそろ紫原っち対策考えた方がいいんじゃねー?」
「や、ムリムリ!紫原くんの顔見ただけで私のライフはゼロだよー!!」
「何言ってんだか全然わかんねーっていうかわかりたくねーっス」
嫌そうな顔をしている黄瀬くんを余所に私の目線は時計に行った。
「わっ!大変!!もうこんな時間だ!委員会大遅刻だよ〜」
「えっ?わっ俺もヤベー…部活遅刻っス…」
苦い顔を二人で見つめ合い、ため息をこぼす。
何時の間にか話に夢中になっていたらしい。
「とりあえず急ごっか…」
「そうっスね」
鞄を肩にかけ、慌てて教室を出た。
あぁ、絶対怒られる…。