夢小説〜short詰め合わせ〜

□悪戯っ子
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あたしの学校の朝はバスケ部のお手伝いから始まる。
一番最初に体育館を開け、ボールの空気の確認や戸や窓の開閉、ドリンク作りなど。
まあ、それなりに忙しい。
そんな時に必ずあいつは邪魔をしてくる。

「よぉ奈鶴。」
「オハヨウゴザイマス、花宮くん」
「なんで片言なんだよ」
「また邪魔をしに来たのかと思うとおはようも上手く言えなくなるのよ。察しなさいよもう」

一通り文句を言ってスッキリしようとした所、悪名高き花宮くんはここぞとばかりに嫌味を言ってくる。

「お前なぁ、この俺がわざわざ、毎朝、おはようっつってんだ。少しは喜ぶとかしねぇのか」
「ない。全くない。その変な眉毛を見たくないからほんともうやめて欲しいっていうか」
「テメェ…」

青筋を浮かべ、イライラを露わにした花宮くん。
だって眉毛が変なのは事実だし。

「眉毛にキレてんじゃねえんだよバァカ!」
「あ!また馬鹿って言った!!いつも言ってるじゃん!馬鹿って言った方が馬鹿なんだよ!!」
「あぁ?!黙れガキ!」

こんな風にギャーギャーやってると皆が準備を終えて入ってくる。

「またやっているのかあの二人は」
「よく飽きないよね〜?」
「うるせぇぞ原!」
「あんたのほうが煩いわよ馬鹿宮」
「んだと?!」

バチバチと火花を散らしていると大仏ぼくろの瀬戸が早く朝練を始めようと催促した。
うるせぇ今行く、と花宮くんは返事をするとあたしの方を向き、フッと鼻で笑い去っていった。

(なんなのよあいつ…)
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