Another Side
□19
1ページ/4ページ
Another Side
俺はとりあえず美桜の部屋へ向かって走った。
「美桜!!」
勢いよく襖を開いたが、そこには誰もいなかった。
その代わりに、俺と買いに行った着物が畳んで置いてあり、そこにはあいつの字で書かれた手紙が添えられていた。
自分に宛てられた文を読んでみる。
ー馬鹿の三成へ
三成はいつも私のことを馬鹿にしてたくせに、自分も不器用で馬鹿だったよね
私は、いつも高慢で意地悪な三成だけど、本当はすごく優しいってことを知ってるよ
だって、こんな私を受け入れてくれたでしょう?
三成は本当は優しいんだから、もう少し素直になりなよ?
本当、三成って馬鹿だよね
でも私はそんな三成が大好きだよ
今までありがとう
「っ美桜…」
知らなかった…あいつが俺をこんな風に思っていてくれたとは…
嫌だ、美桜…行くな!
そういえば、あいつは廊下の姿見の話をしていたな…
まだ間に合うかもしれない…!
俺は姿見を目指して再び走り出した。