Another Side

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その日の夜は偶然にも宴だった。

よし、最後くらい思う存分楽しもうじゃないか!


「はっはっはっ!美桜は今日もよく飲むな!」


「兼続こそ飲みすぎ〜!
ただでさえウザイのに三割増しでウザイよ!」


「!!不義の極みっ!」


「なんかさぁー、幸村って犬っぽいよね〜」


「わ、私が犬ですか!?」


「うん〜!尻尾振ってご主人様についていきそう〜」


「そうですかね?解せないです。」


「正則ィ!あんた、ちゃんとかわいいお嫁さん捕まえろよ〜!?」


「るせー!美桜こそ嫁に行きそびれるなよなっ!?」


「私は心配されなくても超絶イケメンでお金持ちの旦那捕まえますから〜!」


「お前には無理だ、馬鹿。」


「んだと清正!ゴルァ!表出ろや!
飲み比べするか!?」


「そういうところが馬鹿なんだよ」


「うるさいっ!ベーッだ!」


こんな他愛もない話題だけど、一言ひとこと噛み締めながら話しかけた。

ここにいられるのもあと数時間。


三成はどこだろうか?

今日は一度も見ていない。

最後にどうしても会いたいよ…


「そ、そういえば三成いないね!
どうしたのかな〜?」


「頭でっかちなんかほっとこうぜ〜!
…ゲッ、頭でっかちいるじゃねぇかよ!」


「俺がどうした?」


良かった、最後に会えて…


でも、なんだか不機嫌な様子。

最後くらい笑ってよ…


「ほら!三成も飲もうよ〜!」


笑って欲しくて…必死に笑いかけた。


「美桜、貴様…
こんなところで何してる?
俺のご機嫌取りしてる暇があるなら何か言ったらどうだ?
貴様のそういうところがムカつくのだよ!」


えっ……?
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