Another Side

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「美桜…ちゃんと食べないと倒れちゃうよ?」


「…おねね様、ごめんなさい。
でも、食欲が無いんです…。
食べ物を粗末にしてすいません…」


「みんな心配してるんだよ?」


「…私のことなんて心配しなくていいです。
私は心配してもらえるような人ではありませんから…」


この手で人を殺したんだ…

自分なんて大嫌い。

弱虫で汚い自分なんて…

私はみんなの役に立ちたかったのに、結局は私のせいで兵士が死んでしまった。

おまけに、みんなに気を遣わせて…
私は迷惑しか掛けてないじゃん。


すると、スパンと音を立てて私の部屋の襖が開いた。


「貴様はやはり馬鹿なのだな」


「…三成…?」


「いつまでそうして引きこもっているつもりだ?」


「……」


「いつも馬鹿みたいにうるさい奴が静かだと調子が狂うのだよ」


「ごめんね…」


「ハァ…本当に救いようのない馬鹿とは貴様のためにある言葉だ」


私は畳の一点を見つめたまま答える。


「…うん私は大馬鹿者だよ…
周りには迷惑しか…」


「その考えが馬鹿だと言っているのだ!」


語気を強めた三成に驚き、あれ以来初めて彼の顔を見た。

とても悲しそうな…思い詰めたような顔。

どうして…?


「すまぬ。声を荒げてしまった…」


どうして?


「どうしてそんな顔をしてるの?」


「そんな顔?…あぁ。
これは美桜のせいだ」


私、また人に迷惑を…


「俺はお前が心配でたまらないのだ。
お前にはいつものように笑っていて欲しいのだ…
どうせお前のことだ。
自分のせいで迷惑をかけたとでも思っていたのだろう?」


「…!!」
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