Another Side

□13
1ページ/3ページ




「私にも行かせてください!」


「う〜ん…
まぁ、前に戦に出てもええと言ってしまったからなぁ…」


「秀吉様、お願いします!」


プライドを捨てた土下座だ。

私はどうしても行きたかった。

毎日欠かさずに鍛練してきたのもこのためだった。


みんなが戦っているのに、私だけ城で待っているのは嫌だ。
それに、剣道には少し自信がある。

全国大会ではベスト8入りしたこともある。


「…美桜、顔を上げろ!」


「嫌です!良いと言われるまでは上げません!」


「わかった!わかったから!
ただし、無理をしないと約束してくれ!」


私はその言葉に顔を上げた。


「あ、ありがとうございます!」


そして再び頭を下げる。


「いや、だからええって!
美桜、くれぐれも三成から離れないでくれ!」


「わかりました!」


三成から一揆を収めに行くという話を聞いて、じっとしていられなかった。

そして冒頭に戻る。


秀吉様の部屋を出た私は、いつも通り清正と鍛練すべく庭に出ていた。


「おい、美桜!どういうことだ!?」


驚いて振り返ると、そこには珍しく声を荒げた三成がいた。


「あ、三成だ。どうしたの?」


「どうしたの?ではないだろう!
一揆を鎮めにお前も行くとはどういうことだ!?

わかるように説明しろ!!」


「は?お前、戦うのか!?」


「私だけ安全なところで待ってるのは嫌だったから…
それに、無理しないって秀吉様と約束したし!
ね?いいでしょ??」


はぁ…と二人の溜め息がハモった。


「俺から絶対に離れぬと約束しろ」


「ラジャ!」


「三成が嫌になったら俺のとこに来るんだぞ?」


「わかったってば!
みんなして過保護だなぁ…」


「「俺はお前を心配して…!」」


「ハモっちゃって〜!
実は仲良しなんだから!ツンデレめ!
ていうか、あんたらこそ大丈夫?
顔赤いけど、熱でもある?」


((お前のせいだよ!!))
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ