Another Side

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いつものように清正に稽古をつけてもらう。

そう、いつものように。

いつものように真夏の炎天下で…


「暑い…溶ける…灰になる…むしろなりたい……」


「お前…大丈夫かよ…
今日はこの辺でやめとくか?」


「うん…もう無理っぽい…」


もう3時間くらいやっていた。

もう死にそうだよ…

清正は死にそうではないけど、さすがに疲れが見えてきている。


「水浴びたい…そうだ、川行きたい!」

私のこの一言で午後は川に行くことになった。

行くのは、私と清正と三成と正則の4人だ。

馬で行くらしいけど、私は馬なんか乗れないから2ケツさせてもらう。


「今日は俺と乗ろうぜ、美桜!」


「お前は前見ないからダメだ。」


結局、清正の前に乗ることになった。


「あぁもう!届かない!」


背が低いため、どうがんばっても馬に乗れない。

どうやって乗るんだろ…
頑張りすぎて股が裂けそうだよ!

すると、急に体が浮いて馬に乗っていた。


「あっ!見て、一人で乗れたよ〜!」


「俺が乗せてやったんだよ、馬鹿」


「お前の馬鹿さ加減は正則といい勝負だな」


「「一緒にすんな!!」」


馬は何回乗っても馴れない。

というより、馬に乗ってると無駄に密着してしまうから戸惑う。
こんなこと思うのはきっと私だけだけど。

ちなみに、今日は全員濡れていいように浴衣だった。

だからいつもよりは涼しく感じた。


「馬って速いから風来て涼しいね!」


「だな。もっと速くしてやろうか?」


「ギャー!!死ぬぅ!!!」


涼しいけども、違う意味でヒヤッとしたわ!

うぅ…車酔いならぬ、馬酔いした…


「うげぇ…気持ち悪い…」


「わりぃ、もうすぐだから我慢してくれ!」


ようやく着いた。

大きく深呼吸すれば、自然と吐き気も収まった。
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