Another Side

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「う〜ん…」


私は悩んでいた。

何故なら、半兵衛への返事をまだしていないからだ。

いくらなんでもこれはまずいだろ…

私がここに来てからもう1ヶ月は経つ。

つまり、1ヶ月も返事を先延ばしていたのだ。

やっぱり振ろうかな…好きじゃないのに結婚するのはやっぱりおかしい。

だって、結婚したら、いつかは大人の階段登らなくちゃいけないわけでしよ?

やっぱりそういうのは好きな人とがいい。


ドン!


「うひゃあ!?」


「うわっ!…って、美桜!?
なんだ、びっくりしちゃったじゃん」


「は、半兵衛!?」


タイミングがいいんだか悪いんだか…

しかし、これ以上先延ばしにはできぬ!


「あ、あのね、半兵衛…」


「ん?なに?」


「あの…えっとね…あの…」


「どうしたの?」


がんばれ、私!


「あのね!あの…返事…!」


ここまで言うと、理解したらしく、ああ〜と頷いていた。


「遅くなってごめんなさい!」


「いいよ。ゆっくりでいいって言ったの俺だし!」


これからこのかわいい顔した男の娘を振るのか…くぅっ!!


「えっとね…私……
やっぱり半兵衛とは結婚できないです!
ごめんなさい!」


どうしよう、言っちゃったよ!
沈黙が気まずい…


「はぁ…。それ、本気で言ってんの?」


「えっ…?」


「だから、俺と結婚できないって本気で言ってるのか聞いてるんだけど」


あれ…なんか…雰囲気が違う…?

ちょっと怖いんだが…


「ここまで待たせておいてそれは無いんじゃない?
どうしてくれるわけ?
俺に恥かかせておいて…何もしないで逃げる気?」


この展開、ヤバくね…?


「俺、みんなに俺の嫁って言っちゃったんだけど。
どうしてくれんの?
こうなったら、無理やり俺のお嫁さんになってもらおうか…」


次の瞬間、私の目に入ったのは半兵衛の顔と天井だった。


「ちょっ…ヤダ!ここ、廊下だしっ…!
離してよっ!!」


「廊下じゃなければいいんだ?」


そして、ちょうど近くにあった部屋に入れられ、再び押し倒される。


「ヤダってば!!やめてっ!!!」


すると、半兵衛は意地悪く笑い、耳元で囁いてくる。


「ふっ…本当に嫌なの?」


「!ヤダ!嫌だっ、離してよ!!」


本当にまずい。このままじゃ…!
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