Another Side

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私が戦国時代に来てから半月が経った。

大分ここでの生活にも慣れ、文字の読み書きもできるようになった私は義と愛の武将さん達とご褒美という名目で城下に来ていた。


「うりゃっほいっっ!!」


「あまり大声で騒ぐな。みっともない」


「よほど来たかったんですね」


「美桜、私の腕を掴んでいろ!
こうすれば、グヘヘ、はぐれることも、グヘヘ、無いだろう?」


ちょっと、鼻息荒いっすよ、兼続さん?


「兼続、貴様はニヤニヤと気色が悪いのだよ!
美桜から離れろ!
変な妄想をするな!」


「美桜、あんなのはほっておいて、早く行きましょう?」


「あ、そだね!
あと、幸村、笑顔がどす黒いけど大丈夫?」


「何言ってるんです?気のせいですよ」


うん、気のせいだということにしておこう。
私は何も見てないぞ?


「うわぁ…甘味処だって!
美味しそう…」


今にも涎が垂れそうだった。


「美桜はまた甘味か…
全く、色気が無いな。」


「女の子は誰しも甘い物が好きなの!
悪かったわね、色気が無くて!」


「こら、二人共、また喧嘩をしおって!
…私も混ぜろっ!!」


最近…いや、前からだけど…兼続が超うざいっす。

私も混ぜろって…どこの構ってちゃんですか?
いい年して、恥ずかしいわ!


「色気が無いとか言いつつも、そういう目で見ているくせに…
相変わらず素直じゃないですね、三成殿は」


「「なっ…!!?」」


絶句する私と三成。いや、ありえないでしょ。

笑顔でサラッと問題発言するな、この人は…。


「お、俺は別に美桜をそのような目で見たことはない!
馬鹿なことを言うな、幸村!」


「だが、私が美桜に抱きつくと慌てて引き離そうとするではないか!」


「それはだな、妹の貞操を守らなくてはという、あくまで兄視点の行動であってだな…」


兄と妹か…。

って、何ちょっとがっかりしてるの私!?
兄弟なんて、嬉しいはずなのに…何でかな?


「にしては必死だな、三成?」


「うるさい。俺は色恋などに現を抜かしている暇など無いのだよ!」


「そ、そうだよ!本当に、兄弟みたいなモンだし…
それに、三成達が私のことを兄弟って言ってくれて嬉しかったんだよ?
って、私は何言ってんだ!!照れるわ〜!」


こんな話題で三成と話しにくくなるのは嫌だ。

だから、私が上手く話を逸らした。
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