Another Side

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戦国時代に来てまで勉強なんて、絶対に無理!

どうやって逃げるか…

すると、三成に扇子で叩かれた。

ただの扇子だと思ってたのにとてつもなく痛かった。鉄扇らしい…

なんて物騒なもんで叩いてんだよ!
脳細胞が今の一撃でだいぶ死んだぞ!?


「痛い…」


涙目で睨んでやると怒られた。


「人がわざわざ教えてやっているというのに、その態度は二人に対して無礼だ。
美桜は今、教えていただいている立場なのだ。
もっとありがたく思え。」


「幸村、兼続、ごめんなさい」


三成には謝らないからね。


「あ、私、ちょっとトイレ行ってくる!」


「といれ?」


「あー、ごほんごほん…厠行って参ります。」


厠に行く気なんてさらさら無い。
抜け出すための口実だ。

ある程度離れてから走って逃げた。

ここまですれば大丈夫だろう。

角を曲がった所で半兵衛とぶつかった。


「あっ…ごめん!」


「あ、美桜!久しぶり!」


「いや…最後に会ったの昨日だからね?」


「美桜に会えない時間は長く感じちゃうんだよ〜」


こういうのは苦笑いでスルーで。

というか、気まずい…。

昨日の返事してないし…

こういうのははっきりさせたほうがいいよね?
でも、なんて言えばいいのかわからない。


「ずいぶんと悩んでるようだけど、昨日の返事はすぐじゃなくていいからさ!
まずは友達からやっていこうよ!」


「うん…ありがとう!」


「そういえば、どうして美桜は走ってたの?」


その言葉ではっと思い出した。


「あっ!私、今逃げてるんだった!!」


「逃げてる?誰から?」


「三成とか、その他、愛の武士達から!
ごめん、もう行くわ!」


「わかった。捕まらないといいね〜」


私は半兵衛に別れを告げて再び走り出した。
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