Another Side

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「えーっと…三成さん、私は何をしていればいいんですか?」


「酌でもしていろ」


「は、はぁ。」


酌とかしたこと無いよ…

未成年だからお酒なんて飲まないし…

不安だ…。


「それと、未来から来たということはあまり言わない方がいい。」


「わかりました。」


しばらくして、宴が始まった。

天下統一のお祝い的なアレらしい。

一応、隣には三成さんや正則、清正さんが居てくれた。


「おい、酌しに行ってこい」


三成さんが小声で教えてくれた。


「あ、はい。」


うわ〜、緊張する!

きっとこの中には歴史に名を残した人がたくさんいるんだろうな…


「ふぅ…疲れた。」


私、キャバ嬢なれんじゃね?ってくらい頑張った。

大半の人がすでにできあがってる。

酔っぱらいの相手は嫌だ…


「おい、お前も飲め。」


声のした方を見るとあの3人がいた。


「そうだぜ、美桜ちゃ〜ん!」


「えっでも…私まだ未成年…」


「いいから飲めよ」


よく見ると3人とも顔が赤かった。


「私、お酒飲めませんよ!」


そういうとめちゃくちゃ睨まれた。

もう、飲むしかない。


「うっ……」


「おぉー!いいねぇ美桜!!」


「気持ち悪い…」


あろうことか、一気飲みしてしまった。


「おお、三成ではないか!」


「あっ、三成殿!…誰ですか、その女性は…?」


赤い人と白い人が来た。


「ああ、話してなかったな。」


「うっ…はじめまして、美桜です…」


ヤバい…吐きそう…。


「私は愛と義の武士、直江兼続だ!」


「真田幸村です!」


なんか、3人がこれまでの行き察を話しているけど、気持ち悪くてそれどころではなかった。

唯一覚えているのがこの台詞。


「そうだ!この6人で飲み比べしないか?」


何言ってんだ、直江さんんん!?

しかし、飲まないわけにはいかなかった。
ここで私の記憶は途絶えた。



三成side


目の前にいる女は吐きそうな顔をしていたが、ここで断れば雰囲気が悪くなる。

目線で飲めと訴えた。

泣きそうになりながらも飲んでいた。

こいつの世界では二十歳になるまで酒は飲めないらしい。

確かこいつは16才と言っていたな。

吐かれたら困るな…。


「うがぁぁあ!!もう無理だ、これ以上は飲めねぇ!!」

最初に脱落したのは正則だった。

こいつより飲めなくてどうする!


「もう…無理です…飲めません…」


次は幸村だった。
本当に大丈夫か、こいつら。


「ぐっ…俺ももう無理だ…」


清正脱落。


「うっ…俺ももう飲めん…」


そして俺が脱落。


残るは兼続とあの女だった。

初めて飲むんじゃなかったのか!?

いつもなら俺と兼続の対決になる。


「わ、私も降参だ…」


「あっれれぇ〜?皆さん、もう終わりでしゅか〜??」


なんかおかしくないか、こいつ。

酔ってやがる。面倒くさい。


「兼続さぁん!私のおつまみになってくらさいぃ!」


「な、何言ってるんだ美桜!」


「えっ、イカそうめんになってくれるんじゃないんですか〜!?
残念だなぁ〜」


「おい、三成!助けてくれ!
美桜、目が本気だ!
私はイカそうめんになどなりたくないいい!!」


「うぐっ…離せ!鬱陶しいのだよ!」


男に頬擦りされるほど気色悪いものはない。


「殿、随分盛り上がってるじゃないですか!」


左近がやってきた。


「こいつらが勝手に騒いでるだけだ。」


「ほぅ…このお嬢さんが例の…」


「はじめまして、美桜です!」


「はじめまして。俺は島左近だ。
美桜姫様はいくつで?」


「姫様じゃないですよ。
ぴっちぴちの16才であります!」


「すまない、左近。酔ってるのだ」


「可愛らしい姫じゃないですか!」


「姫じゃなくて、呼び捨てでいいんですよ?」


さっきまで吐きそうだったのはどうした。

凄く鬱陶しいぞ。
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