僕と彼女の奇妙な関係に終止符を。

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僕は迷っている。

このまま本当にセーラを連れて行ってもいいのだろうか?

大好きな君が悪者になってしまってもいいのか?

結局僕にはセーラを幸せにすることは出来ないんだね。


ごめんね、セーラ…

察しがいい君は僕が君よりも使命を選ぶこともわかっているだろう。

平気そうな顔してるけどきっと本当は不安に違いない。

それでも僕のそばにいたいと言ってくれている君を僕はきっとまた傷つける。


「ベルトルト、セーラをどうするかはお前が決めろ」


「わかってるよ、ライナー」


僕は確かにセーラが好きだ。

でも君との間に距離をとっている。

これじゃあ付き合っているのかわからない。

結局、あの頃の曖昧な関係と何一つ変わっていない。

僕には君を幸せにすることは出来ないよ…


「ごめんね、ベルトルト。
私と出会わなければ…こんなに苦しむことはなかったよね…」


謝るセーラを見て僕はたまらずそのすぐに折れてしまいそうな細い体を抱きしめた。


「セーラ、謝らないでよ…
二人で過ごした時間を否定しないでよ…
僕は君と出会ったことを後悔したくない。
セーラがそれで本当にいいと言うのなら…
僕と一緒に来てくれない・・・?」


「いいの…?良かった…
ありがと、ベルトルト…」


僕はセーラの顔を見たくて体を離そうとした。


「や、やめて!見ないで!
顔、ぐちゃぐちゃだからダメ!」


でも嫌がられたからもう少しこのまま抱きしめていよう。


「ごめん、セーラ…でも、ありがとう…。
僕を拒絶しないでくれて、好きになってくれて、出会ってくれて本当にありがとう」


「それはお互い様でしょ?
あ、私死ぬときは巨人の口の中じゃなくて、ベルトルトの腕の中で死にたいな」


セーラは時々鼻を啜りながらそう言った。

出来ることなら僕は君が死ぬところなんか見たくないよ。

でも僕は君に何もしてあげられないから、その時が来たらそれくらいは叶えてあげるね。


その時だった。

外から足音が近づいてきたかと思うとユミルの叫ぶ声が聞こえた。


「おい、ライナー!セーラとベルトルトもいるか!?
屋上へ上がれ!巨人がわんさと沸いてやがる!!」


僕は急いでセーラの目元を袖で拭ってあげた。

セーラの乾いた笑いが響く。


「はは、泣いてる場合じゃなくなったね。
今夜は寝かせてもらえそうにないや」


彼女には決して冗談を言う余裕があるわけではない。

冗談を言ってないと怖気づいてしまうのだ。


「大丈夫、セーラは必ず僕が守るから。
行こう、セーラ、ライナー!」


僕らは故郷に帰らなくちゃいけないんだ。

こんなところで巨人の餌になるわけにはいかないんだ。



↓あとがきと言い訳↓

頭の中で落ちは決まりました。

が、それをうまく文章に出来ません。。

というのも、単行本が無いんですorz

母上が返してくれません…。


だから、vs巨人シーンはざっくりいきます。

だいぶ割愛しますがお許しを…(汗)

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