僕と彼女の奇妙な関係に終止符を。

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目の前でセーラが壁から落ちていくのを見て、一瞬呼吸の仕方を忘れた。

幸いなことに木に引っかかったおかげで軽い怪我で済んだから良かったけど。

ああ、僕は馬鹿だなぁ。


どうせ自分が殺すのに無事でよかったと思うなんて。


あれ以来、僕達は再び話すようになった。

セーラは僕が拒絶しないことに驚いていたけど。


「私ね、超大型巨人と目が合った気がするの」


「えっ…」


心臓がドクンと飛び跳ねた。

いや、落ち着け。

ここで動揺したらマズイ。


「そしたら、その巨人が驚いたように目を丸くしたの。
巨人も驚いたりするのかなぁって思ってね」


「セーラの気のせいじゃない?
巨人が驚いたりするわけないよ」


僕は内心焦った。

実際あの時セーラと目が合ったし、驚いて目を見開いてしまったから。

正直、セーラがここまで洞察力があるとは思わなかった。


「だよね。
私頭イカレてるのかな?
目元がベルトルトにそっくりだなぁって落ちる直前に思ってたの。
だから反応が遅れて落っこちた」


頭の中で警報が鳴っている。

ヤバイ、感づかれたか?

こんなに鋭いとは…


「はは、僕が巨人なわけないよ。
セーラの頭がイカレてるのはもともとだしね」


「いや、ベルベルトは巨人だよ」


「!!」


「1.9m級の巨人だ!
駆逐してやるっ!!」


「ちょっ、痛いってば!
イカレてるって言ったのは悪かったから!
事実を言っただけだよ!」


「…血祭りに上げてやる!!」


危なかった。

危うくセーラの首に手をかけるところだった。

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