僕と彼女の奇妙な関係に終止符を。
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「あ、ベルベルくん!おはよ」
今日も相変わらず間違えた名前で呼んでくるセーラ。
でも僕はいつもとは違う。
これ以上セーラと関わるわけにはいかないから。
忘れるな、僕は戦士なんだ。
「…ごめん、もうこれ以上僕に関わらないで欲しいんだ…。」
「え?どうしたの?」
「悪いけど、こうやって毎日来られるの、正直迷惑なんだ。」
すると、彼女の顔は悲しげに歪んだ。
「そっか。ごめんね、迷惑かけて。
でも、それじゃああの約束は果たせないね」
「……」
約束かぁ…。
僕が全てのことを打ち明けたら、それでも君は約束を果たしてくれるだろうか。
いや、だめだ。
初めて好きになった人には少しでも長く生きて欲しい。
例えいつか自分が殺すことになったとしても…
彼女にまで世界を裏切るようなことをさせるわけにはいかないんだ。
「ごめんね、あの約束はなかったことにしよう」
「…わかった」
セーラは一度も振り返ることなくこの場を去っていった。
これでいいんだ。
こうするしかないんだ。