僕と彼女の奇妙な関係に終止符を。
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最近になって知ったベルトルトっていう男の子がいる。
彼はとても背が高くて、その身長に一目惚れした。
身長にだけだけど。
「おはよう!ベロンベロンくん!」
「だから、ベルトルトだってば」
こうやって名前を覚えていないふりをしてからかうのが最近の日課。
本当はちゃんと覚えてるよ。
ベルトルトばっかり背が高くて羨ましいからわざと間違えてやるの。
こんなことしかできない私は相当ひねくれてると自覚がある。
でも絶対直す気はない。これが私だから。
「ねえセーラ、こんなに僕と一緒に居て楽しいの?」
「楽しいに決まってるじゃん。
こんなにいじりがいがあるのはベルレトルトだけだよ!
それに、なんかちょっとだけ安心する。」
そういうとそっぽを向かれてしまった。
「お〜い、無視するな!」
すると、こっちを見ないままボソボソ話し出した。
「君は本当に変わり者だね。
僕なんかと居て楽しいなんて…」
「迷惑だった?」
そこまで言うと急にばっと顔を上げた。
そしてその黒い瞳に見つめられる。
「迷惑なんかじゃない!
ライナー以外に僕と居たがるのはセーラが初めてだから…」
そう言うベルトルトの顔は少しだけ赤かった。