僕と彼女の奇妙な関係に終止符を。

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僕にはとても変わった友達(?)がいる。

友達と言っていいのかはわからない。

友達になりましょう、と言ったわけでもないし…

最初の会話もとても微妙な感じだった。


「原子レベルで君の身長に一目惚れしました!
私に君の身長さんをくださいっ!」


「えっと…それは物理的に無理だよね?」


娘さんをください、みたいな感じで言われても…


彼女の名前はセーラ•リドナー。

104期生の男子の間では可愛いと定評があった。

でも僕達は知らなかったんだ。

彼女がとてつもなく変人だということを。


「お願い!5cmだけでもいいから!」


5cmも10cmも無理だよ。

そんなお願いポーズされても…いや…。


「セーラ、何してるの?」


「アニっ…!
聞いてよ、この人に振られたのっ!!」


「い、いや…!僕は告白されてもないし、振ってもないよ!?」


「じゃあ身長分けてよ」


「だから、それはできないって!」


誤解を生む言い方はやめてほしい。


「チッ…ケチなやつ…」


なんか僕めっちゃ睨まれてる!

いやいや、僕間違ってないよね?

え、僕が悪いの!?


「馬鹿なこと言ってないで早く行くよ。
夕飯食べはぐっても知らないよ?」


アニが神様に見える…!


「うぉ!?それは大変だ!
じゃあね!ベル…ベル…ベルベルベくん!」


名前…覚えられてなかった。

ベルトルトだよ…。

もうすぐ入団してから1ヶ月経つんだけどな…

僕、ちょっと傷付いた。


…というのが僕達の最初のやり取りだ。

見てわかるように、彼女はどうしようもなく変わってる。

でも彼女には自然と人を寄せ付ける力がある。

僕もセーラに惹かれたうちの一人かもしれない。
 

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